集塵機のフィルタをパウダーレスタイプへリプレース。メンテナンス性の向上と、産業廃棄物削減を実現
事例のポイント
- 集塵機メンテナンスの作業負荷と保守コストを削減
- フィルタ寿命が2.5倍になっても変わらない集塵能力
- レーザ加工機だけでなく周辺機器のメンテナンスも一括対応

ミック工業株式会社
ミック工業株式会社は、大阪府・堺市に2カ所、岡山県に2カ所、タイに1カ所、計5カ所の製造拠点にて主に空調機器や建材機器関連の金属部材を加工から組み立てまでしている。同社ではお客様からの様々なニーズに応えるべく、多品種小ロットの生産を基本として、コスト低減や品質向上などに取り組んできた。また、同時に職場環境の改善や地球環境への負荷軽減を推進しており、工場の全館空調整備や産業廃棄物の削減、分別廃棄を徹底している。
創業から9年後に新設された岡山第一工場では、空調関連機器の完成品製造が約90%を占めている。同社では三菱電機レーザ加工機を、主に空調関連機器の耐震用部品の切断加工に使用しており、加工時に発生する金属粉塵を回収するために集塵機を接続し、クリーンな職場環境の維持に努めてきたが、「粉塵捕集に必要なβパウダーは微細な粒子であるため集塵機に投入する際、飛散し易いことから作業員の取り扱いに負担がかかっていた。また、集塵機下部に蓄積されるダストは、パウダーと金属粉塵が混在するために産業廃棄物として処理しなければならず、環境負荷の軽減という観点からも課題となっていた」と、工場長を務める豊田氏は当時を振り返る。
そんな時に三菱電機メカトロニクスエンジニアリング(以下、MMEG)から提案されたパウダーレスフィルタ(TSフィルタ)へのリプレースは、メンテナンス性の向上と環境負荷軽減という両課題を解決するものだったため、導入することを決断した。


集塵機メンテナンスの作業負荷と保守コストを削減
「パウダー式集塵機では、年4回ほどのパウダー投入が必要だった」と、金属加工部門の責任者を務める柴田氏は振り返る。パウダー投入にかかる時間は5分程だが、粉が舞わないよう神経を使う必要があり、ストレスを感じていたという。また、パウダーと金属粉塵が混在するダストは産業廃棄物として年数回の処分が必要で、清掃などメンテナンスにも時間を要していた。
TSフィルタへのリプレース後はパウダー投入が一切不要となり、ダストの排出量は減少。これによりダストの処分回数が減り廃棄コストも低減した。柴田氏はパウダーを使用しないことを特に評価され「作業コストは半減しているといっても過言ではない。何より心理的ストレスがなくなったことが大きい」と語る。


フィルタ寿命が2.5倍になっても変わらない集塵能力
TSフィルタの長寿命化で、交換頻度が減少した。以前は年1回の頻度でフィルタを交換していたが、リプレース後はフィルタ寿命が2.5倍となったことで産業廃棄物の減少につながっている。これについて柴田氏は「産業廃棄物の削減は社員全員で取り組んでいるので、使用済みフィルタの廃棄が減らせることは会社としても喜ぶべきこと。更にフィルタ交換作業の手間を減らせるのは一石二鳥で、とても喜ばしいこと」と顔をほころばせる。リプレース後の集塵能力はパウダー式と同等で、0.1μm粒子を99%捕集するためレーザ加工機内部やワーク面は綺麗な状態が保たれており、クリーンな職場環境を維持できている。


レーザ加工機だけでなく周辺機器のメンテナンスも一括対応
TSフィルタへのリプレースは、レーザ加工機の定期メンテナンスと同日に行われ生産計画への影響はなかったという。当日は2名のカスタマーエンジニアが訪問し、フィルタの交換と共にパウダーの除去などの作業を実施した。
「メンテナンス当日に、『ここもちょっと見てほしい』という要望にもを伝えたところ、集塵機だけでなく加工機に対しても臨機応変に、迅速に対応してもらえたので助かった」と、MMEGのサービス対応について柴田氏は評価する。レーザ加工機と集塵機は常に同時稼働するため、周辺機器を含めた一括メンテナンスは加工機の効率的な稼働に繋がる。特に、想定外のトラブルにもすぐに駆け付けてくれる点にメリットを感じており、「トラブルがあっても、翌日にはカスタマーエンジニアがメンテナンスに来てくれて生産可能な状態に戻してくれる。加工機のトラブルが原因で生産計画を変更したことはない」と柴田氏は語る。
柴田氏は「今回のようなコスト低減や、職場環境の改善につながる提案をしていただきたい。MMEGは単なる修理だけではなく、モノづくりの現場に新たな価値を提供していただける会社だと感じている」とMMEGへ高い期待を寄せている。


2025年5月掲載
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