溶接ヒューム測定から検査結果報告、集塵機納品までをパッケージで一貫して対応。コンパクトかつ優れた吸引力により安心・安全な職場環境を実現
事例のポイント
- 繁雑な溶接ヒューム対策(ヒューム測定、機器販売、報告書作成)を一貫対応
- 移動しやすく作業の邪魔にならないコンパクトサイズ
- 集塵能力が高く、安心・安全な環境を整備

ミック工業株式会社
ミック工業株式会社は、主に空調機器や建材機器関連の金属部材を、加工から組み立てまでしており、大阪府・堺市に2カ所、岡山県に2カ所、タイに1カ所の計5カ所に製造拠点を展開している。同社では、多品種小ロットの生産を基本としてコスト低減や品質向上など、お客様からの様々なニーズに応えるとともに職場環境の改善にも注力しており、工場の全館空調整備を推進。また、産業廃棄物の削減、分別廃棄の徹底を行うことで、地球環境への負荷軽減にも取り組んでいる。
創業の地でもある本社第一工場では、お客様からの更なる信頼を得るため2019年より空調機器関連部材の組み立て時に必要となるアーク溶接工程の内製化に取り組んでいる。当初は試験的な意味もあり担当者1名でのスタートであったが、本格的に取り組むため担当者を増加させ、現在では3人が溶接作業を担当している。2020年の特定化学物質障害予防規則(以下、特化則)改正の公布に伴い、溶接ヒュームが特定化学物質に指定されることになり、「従業員の健康を守るためにも適切に対処したいが、具体的にどう対応していけばいいのか不明な点が多く困惑した」と、安全管理者を務める清水氏は当時を振り返る。
その対応として三菱電機メカトロニクスエンジニアリング(以下、MMEG)から、溶接ヒューム測定、機器販売、検査報告書の作成までを一貫して提供している溶接ヒューム集塵機「ケムトリくん2」の提案を受け、導入することとなった。


繁雑な溶接ヒューム対策(ヒューム測定、機器販売、報告書作成)を一貫対応
特化則改正により溶接ヒュームの濃度測定が火急の課題となっていたものの、測定そのものをどうやればいいのかが不案内だった清水氏は、「深い知識を基にヒューム測定のための準備を全てお任せできるMMEGからの提案は、非常に魅力に感じた」と語る。溶接ヒュームの濃度測定には、採取機などの準備に手間がかかり、どんな手順で採取を行えばいいのかなど、相応の知識も必要となる。だが、MMEGが用意している検査キットはマスクをつけるなど簡単な方法で溶接ヒューム測定ができるものであり、法令対応の測定結果報告書(証明書)の作成までMMEGが対応しているため、対策への負荷を軽減できたという。また、「ケムトリくん2」導入後にはマンガンが0.005未満mg/平方メートルという測定結果報告書(証明書)を提出してもらい溶接ヒュームの濃度が数字として明確になったことで、集塵機導入の効果を強く実感したという。
「従業員が『ここで働いていてよかった』と思える会社・職場を目指していくことを全社的に推進しているので、従業員の健康を考えると集じん機の導入は必然だった。病気になってからでは遅いですから」と清水氏は強調する。特化則への対応は、企業イメージや今後の人材採用活動にも大きく影響するため、清水氏は「MMEGの協力により、法令遵守にも最小限の作業コストで対応できた」と語る。


移動しやすく作業の邪魔にならないコンパクトサイズ
「ケムトリくん2」導入前は、1台の大型集塵機を溶接作業台付近に設置していたが、200V電源が必要だったため設置場所が限られるほか、大型であるがために移動させることも容易ではなかった。改正後の特化則に適合するためには、集塵機のノズルを溶接部分へ近づける必要があり、特に大型製品では溶接部分に合わせて作業者が移動するため大型集塵機では不便を感じていた。
溶接部門は女性を含む3人が担当しており、サイズの小さな部材から2メートルを超える大型製品まで、その日の作業内容に応じて分担している。「ケムトリくん2は女性でも軽々と移動させることができるコンパクトなサイズで、溶接箇所に応じて移動させることができるため、溶接がしやすい。特に溶接部位が多岐にわたる場合は生産効率もが上がっている」と、溶接部門のリーダーを務める速水氏はその利便性を語る。移動させ易いことから、他部署でスポット溶接を行う際にも重宝されており、職場全体の環境改善につながっている。


集塵能力が高く、安心・安全な環境を整備
職場環境改善に積極的に取り組む同社では、作業者の健康への配慮という観点からも、ケムトリくん2が欠かせない存在となっている。ケムトリくん2導入後は、現場の社員から「溶接マスク越しでも溶接ヒュームを集塵する様子がはっきりと目に見えるので、安心感が全く違う」という声が挙がった。導入前は作業服がすぐに煤だらけになっていたが、ケムトリくん2の稼働により、制服の汚れも軽減されているという。
さらに、ダクトホースやノズルは簡単に取り外しや向きを変える事ができるため、段取り時間の短縮にもつながっており、半自動溶接やティグ(TIG)溶接など集塵機を使用しない時はコンパクトに収納させておくことも可能である。


「今回のように、溶接ヒューム対策など法令に関わることや、新しい商品の提案など、多方面の情報を提供してくれることが非常にありがたい。これからもどんどん提案してほしい」と、清水氏はMMEGに高い信頼と期待を寄せている。

2025年1月掲載
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