保守サービス導入で、安定した稼働と精度を保証。リモートサービス活用で働き方改革も実現。
事例のポイント
- 保守サービスを導入することで、機械の致命的なダウンがなくなり、精度も保証
- スマートフォンで稼働状況を確認することで、社員の精神的・肉体的な負担削減
- 事務所と工場内に50インチモニタを設置し、稼働状況の共有
放電加工専門のジョブショップを営む真洋商事株式会社(名古屋市)は、三菱電機製の放電加工機を多数利用し、金属加工サービスを提供している。自動化機器やリモートサービスも組み合わせることで短納期化を推進するとともに、働き方改革も実現しつつあるという。
真洋商事株式会社と三菱電機の出会い
1998年、ある顧客から「三菱電機のワイヤ放電加工機で加工してくれるなら、仕事を発注してあげるよ」と言われた。しかし、当時の真洋商事には他社製のワイヤ放電加工機しかなかった。 そこで服部氏が先代に相談したところ、猛反対された。「長年取引してきたメーカーに不義理はできないというのが、反対の理由でした。私はその答えに納得できず、反対を押し切って大型のワイヤ放電加工機『FX30』を導入したのです」と服部氏は振り返る。
「実際に使い始めると、性能が良いだけでなく、三菱電機のアフターサービスのすばらしさを実感しました。何か問題があればすぐ駆け付けてくれるので、安心して仕事ができるのです。先代もその良さに納得したようで、それ以降はすべて三菱電機の放電加工機を購入してきました」 現在では、ワイヤ放電加工機15台、形彫放電加工機3台、細穴放電加工機1台の計19台が稼働しており、いずれも三菱電機の製品だ。
機械の安定稼働と精度保証を実現
― 保守サービスを導入されているのですね。
服部:放電加工機は昼夜を問わずに稼働させています。基本的には無人で加工できるのですが、加工機のトラブルで納期遅れが生じては困るので、以前は2時間おきに社員が機械の様子を見に行っていました。そうした社員の負担を軽減しようと常々思っており、三菱電機に相談したところ、保守サービスを勧められました。保守サービスを導入することで、機械の致命的なダウンがなくなり、しかも精度も保証できるようになったのです。
スマートフォンで稼働監視
― リモートサービス「iQ Care Remote4U」もいち早く導入したと聞きました。
服部:無人加工を確実にしたいと考えていた際に、新聞でIoT(モノのインターネット)の記事を読み「これだ!」と直感しました。遠隔で稼働状態を監視できれば、夜中に工場まで行かなくても済みますから。すぐに三菱電機に相談したところ、ちょうど「iQ Care Remote4U」を開発していた時期で、共同で実証実験を行うことになりました。スマートフォンで稼働状況を確認できるので、夜中に工場へ行く必要がなくなり、社員の精神的・肉体的な負担が減って働き方も変わりました。
工場内の大型モニタで電力見える化
― 工場と事務所に設置した2台の大型モニタで、加工機の稼働状況が見られるようになっていますね。
服部:これは三菱電機の工場で「e-F@ctory」を見学したとき、ひらめいたアイデアです。工場では、「iQCareRemote4U」で取得した情報が大型モニタに表示されていました。それを見て、これなら少人数でも効率的に仕事ができると思いました。
実際に事務所と工場内に50インチのモニタを設置したところ、今までは加工機の設置場所まで歩いていって状況を確認していたのですが、どこからでもすべての機械を確認でき、ムダな動きがなくなりました。
― 経営面でも効果はありましたか。
服部:以前は、電源は入っているけれども稼働していない加工機は、私や工場長が電源を落として回っていました。しかし、モニタで見える化を推進したところ、社員自らのコスト意識が高まり、適宜電源を落とすようになりました。その結果、相当なコスト削減効果が上がっています。